
建築の日本展 その遺伝子のもたらすもの
建築の日本展 その遺伝子のもたらすもの
銅版画家さんに教えてもらったのですが、蔵書票というのがあるそうです。
蔵書票(エクスリブリス)は、本の見返し部分に貼って、その本の持ち主を明らかにするための小紙片で、古くは十五世紀のドイツで誕生したと言われています。図と一緒にEXILIBRISという言葉と持ち主の名前や紋章、趣味などを図案に用いてデザインされたものが多く、木版画や銅版画で刷られているため、ヨーロッパではエクスリブリスのコレクターなんて人達もいるそうです。検索すると、日本でも棟方志功などの木版画家がエクスリブリスを製作していました。
書店さんから依頼されて作品を作るならば、エクスリブリスを作りたいと銅版画家さんに言われまして、「是非どうぞ。」と軽くお願いをしてしまいました。「何の図柄がいいですか。」と聞かれて、これもまた思いつくままに、私たちの干支がヒツジやイノシシで、本屋と建築写真と設計事務所もやっていて、事務所リノベーションして、などとまとまりそうもないことを思いつくままに羅列した結果、ヒツジの店主(未年)が、本屋の中でカメラを片手に図面を見ている絵になりました。よく見るとお店と同じ棚の配置で、飾っている絵の位置も同じ。色々な意味がこもった素敵な作品ができました。なんだか嬉しくて、店の商品そっちのけで、オープン初日からその銅版画の説明をひたすらしております。新しいお店にいらっしゃいましたら、店の隅っこに飾っていますので、是非ご覧いただけたらと思います。
建築の日本展 その遺伝子のもたらすもの (建築資料研究社)
森美術館で行われた「建築の日本展」の図録です。Perfumeのライブでおなじみのライゾマテックのインスタレーションなんていうのもあったりして、建築の専門家以外でも十分に楽しめる展覧会でした。
(京都府建築士会 京都だより2018年11号掲載)



