
青華 伊東豊雄との対話
青華 伊東豊雄との対話
装丁が美しい本を置くのが、うちの書店のモットーですが、残念ながら建築関係の本は、洋書を除いて、なかなか美しい建築の本にお目にかかれないのが実情。買いたい本、捨てられない本を目指して、デジタル書籍に対抗するには、質感や装丁というアナログ感が何より重要だと思いますが、建築系出版社でない出版社のほうが、このあたりの感度は鋭いようです。ドイツのアート系の出版社や、ピーター・ズントーの本を出しているみすず書房、青幻舎、アニノマ・スタジオなどが素敵な建築の本を出さないかなと期待しながら、いつもネットをチェックしています。最近は、小さな出版社や個人が、本を出版することも多く、インスタグラムでうちの店主が検索していて、o+h の大西麻貴さんの本を見つけてきました。今時珍しい、函入り本。函とはケースのことで、よく昔、百科事典や専門書など高価な本は、グラシン紙に覆われて函に入っていましたよね。「青華」は、伊東豊雄氏のお父様の俳号なんだとか。布貼の製本で、本の小口の一面に銀の天金加工が施された装丁は、本を制作して出版まで手がけたo+hのこだわりが、内容とともに良く表されています。懐かしくて、大切にしたくなる本です。
(京都府建築士会 京都だより2023年3月号掲載)
青華 伊東豊雄との対話
建築家・伊東豊雄との二年にわたる対話集。諏訪湖の畔で育った幼少期から現在に至るまで、出会った風景や建築、触れた言葉を通して、これからの建築の可能性を探る。撮り下ろしの冬の諏訪湖の写真とともに。

