茶室露地大事典
茶室露地大事典
祖母がお茶の先生を自宅でしていたので、物心ついた頃からお稽古をさせられていました。お稽古をしないと遊びに行けないとか、お小遣いをもらえないとか、それが良かったのか悪かったのか、半ば強制的にやらされて、なんとか大学生まで続けることができました。仕事を始めてからは、忙しいことを理由に少しお茶から遠ざかっていましたが、せっかく京都に移り住んだので、十五年ぐらい前から、再び門をたたいて、また稽古を再開しています。
八年ぐらいのブランクが開いてしまったので、一から学ぶつもりで、改めて学びなおすと子供の頃の苦痛な稽古時間と違って、これがやたらと楽しい。何も考えずにやっていたことの意味をやっと理解し、型にはまった儀式的な作法ではなく、やっとどうにかまともにお茶を点てれるようになったかなと思います。
それでも、いまだにきちんとできた感じがしないのは、私の真剣度がまだまだ足りないのか、それ以上に深い世界なのか…
足掛け四十年近くやっていても「道」とつくものに、終わりなど無いのです。
茶室露地大事典
日本各地の茶室・露地を中心に、近代和風建築や煎茶室、そして建築・造園の技法や部材、大工棟梁の略歴など「造る側」の視点に立った項目も充実しています。茶室だけで、これだけのボリュームのある本になってしまうんですね。実に奥が深いです。
(京都府建築士会 京都だより2018年8号掲載)