団地図解: 地形・造成・ランドスケープ・住棟・間取りから読み解く設計思考
独立して事務所を立ち上げたころ時間だけは、すごくありました。岡田と二人で関西の建築をあちこち見て回っていましたが、そのうち自分たちだけで建築を見るよりもだれかと
何かを共有したくて関西建築見学会というのを立ち上げて、見学会を企画していました。建築好きであれば誰でも参加できるというゆるい会だったので、学生さんや主婦、OL、仏具屋さんといった人も参加して、建築を見た後に飲みながらみんなでいろいろな話しをするんですが、同業者と一緒に建築を見るのとは違い、建築にはまっていくそれぞれの理由が面白く、プロ顔負けのマニアックな建築好きもいて、建築について専門家だけで語るのではなく、多種多様な人たちと何かを共有して建築を語るほうが断然面白くて、結果いろいろなことに気づかされた良い経験となりました。
見学会でできた友人たちもいまだに長い付き合いをさせていただいています。先日、そのとき知り合った友人がから一冊の本が送られてきました。京都の町家の残存跡をダンメンと称して集めていた彼が、そのあと団地にはまり、ついに本を出してしまうなんて…
昔のことを思い出しながら、あの時の時間を共有した人が、活躍している姿をちょっと嬉しく思いました。
(京都府建築士会 京都だより2017年11月号掲載)