
Borge Mogensen Simplicity and Function
国内図書で、新刊の家具の本というのがあまり出ることがないため、洋書で探すのがもっぱらの日課。
今年に入ってHATJE CANTS社から、ボーエ・モーエンセンとフィン・ユールの本が2冊出ました。
家具の歴史が長いヨーロッパだからでしょうか、日本ではなかなかこういう本は出版されません。早速どちらも購入してみたのですが、フィン・ユールは文章が少ない水彩画のドローイング集。テクスチャのイメージが伝わる図面で、読み応えは十分あり、とても美しい洋書です。
ボーエ・モーエンセンは「デンマーク近代家具の父」とまで言われたコーア・クリントに師事し、ハンス・J・ウェグナーと同時代に活躍した家具職人でデザイナー。
事務所の椅子を選ぶとき彼がデザインしたJ39にしたこともあって、いつもキーワド検索で本を探しているデザイナーでした。
北欧家具の特集などではウェグナーなどと並んで紹介されることはありますが、海外国内でも彼だけ特集した本というのは今までなかったと思います。
そういう意味では、私にとっては期待してまちに待った本。しかし洋書は中身が見れない分、文字ばかりだとがっかりしてしまいます。で、この本はというと、文字は多からず少なからず、適度な図面情報と写真の量も結構あって言うことなし。
装丁とレイアウトも美しくて、全部英語ですからサクサクとは読めませんが、本の歴史も長いドイツの洋書、眺めるだけで十分、心が躍る本です。
(京都府建築士会 京都だより2017年7月掲載)
