
万骨伝 饅頭本で読むあの人このひと
六月に自宅を引っ越すためぼちぼちと荷物の整理をしています。
今まで溜めていた雑誌を思い切って処分してしまおうかと思っていますが、どうしても建築雑誌が捨てられない。
特に設計事務所のバイト時代からずっと愛読していた「室内」は、十年前に休刊になってしまいましたが、建築、家具、インテリアに従事している人たちが愛読しているちょっと変わった雑誌で、とても好きでした。
特に私のお気に入りは、巻末に掲載されている山本夏彦や阿部譲二、出久根達郎の連載随筆とよくわからない投稿記事。
一般の人と著名人が投稿していて、なぜかイッセー尾形の文章もあったりして、毎月楽しく愛読していたものです。
名編集長の山本夏彦氏が亡くなり休刊してしまいましたが、「室内」という雑誌は編集長の人柄とセンスなのか、何か強く引き寄せられる芯のある良い雑誌でした。
整理しながらまた読み返すと、やっぱりどうしても捨てられなくて、来るべき引越しに向けて、一行に片付く気配が見えない毎日です。
(京都府建築士会 京都だより2017年5月号掲載)
