Lina Bo Bardi 100: Brazil’s Alternative Path to Modernism
先日、東京でみた「リナ・ボ・バルディ展」は久しぶりに面白い展覧会でした。
あまり知られていないこの建築家を知ったのはブラジルの建築洋書を眺めているとき。
ただでさえ数少ない女性建築家でしかもブラジル人。(イタリア人でのちにブラジルに帰化)
ブラジルの建築家といえばオスカー・ニーマイヤーが有名ですが、彼女の作品の大きな魅力は、モダニズム建築の力強さと建築は民衆のものであるという考え方に基づいた公共建築とのかかわり方、そしてブラジルという地域性をこよなく愛していたこと。
展覧会はリナの初めての建築作品である自邸ガラスの家、サンパウロ美術館、SESC ポンペイア文化スポーツセンターを中心に展示されていて、特に面白かったのは、会場内で上映されていたリナのインタビューでした。
ブラジルの最も見晴らしの良い場所に公衆トイレが建設されようとしたときに、彼女はその場所を市民が集える場所にするべきだと考えて、美術館建設のため人脈を駆使して奔走します。
その奔走ぶりは建築家というよりも活動家のようで、今の建築家のありようを考えさせられます。
リナの熱い信念で出来上がった建築が、今もなおブラジル市民の憩い場として使い続けられていることに、建築の持つポテンシャルが、つくった人の情熱に比例するんだなと感じました。
Lina Bo Bardi 100: Brazil's Alternative Path to Modernism (英語) ハードカバー
リナ・ボ・バルディに関する本の中で、リナの生誕百年記念に作られたこの本はリナボバルディのコンプリート版といっても良い内容です。表紙の写真はCasa de Vidroのエントランス