新 作庭帖 自然風庭園の手法
新 作庭帖 自然風庭園の手法
建築は、三次元や模型でクライアントにも的確にイメージを伝えることが可能ですが、庭のイメージというのは、自然のものだけに、なかなかイメージの共有や内容が伝えにくく、苦労を要します。福岡で仕事をしていたときは、思い通りの良い庭が作れず苦労しましたが、「市中山居」という言葉が、染みわたっている京都は、作庭のレベルが全体的にとても高くて、庭で失敗するということがあまり無いので助かります。
庭も生け花と同じで、庭師さんのセンスが大きいところ。
デザインや空間性の分かる庭師さんと協働するに限るわけですが、社寺仏閣や町家で鍛えられた腕の良い庭師さんや、部屋から見える風景スケッチから庭を作る庭師さん、素敵な庭を作るアンティーク屋さんなど、京都は面白い人材が集まる場所でもあります。
庭師さんと話せるだけのほどほどの知識を蓄えたら、日々、あちこちに脚を運んで人材を発掘する、私たちの仕事のまた楽しい部分です。
(京都府建築士会 京都だより2023年1月号掲載)
新 作庭帖 自然風庭園の手法
『作庭帖』は造園家小形研三氏の元で学び永年庭づくりに携わってきた著者が、「自然風の庭」づくりの手法と理論を多数の図と詳しい解説で紹介し、1996年の発行より、自然風庭園の基本書の一つとして親しまれてきた本。和風庭園の基本的な手法に加え、素材のもつ「気勢」をふまえた設計など、自然風庭園も考え方を分かりやすく解説。