北海道遺産
北海道遺産
秋の北海道を訪れる機会がありました。地元の建築家が道央を案内してくださるというので、すっかりお言葉に甘えて、札幌から小樽、余市、ニセコを廻りながら洞爺湖温泉、白老を廻る旅を満喫。
小樽―小樽の海を見渡せる位置に鰊御殿はあります。明治時代に造られた鰊漁のニシン番屋として使われていた漁場建築。移設して高台に移されたようですが、そこからの眺めは絶景です。海の向こうはユーラシア大陸だよと言われると日本とロシアの微妙な距離感を感じることができます。
ニセコ―スキーリゾートに海外資本がかなり投入されているという話は聞いていましたが、案内してもらった土地の値段が坪二〇〇万と聞いてちょっとびっくり。日本的な風景はそこにはあまりなく、看板も英語だったりして、海外に来た気分になります。
白老―アイヌの国立博物館ウポポイ。建設当初は展示物を巡って、ネットでざわついていましたが、批判が多かったせいかかなり手が入っていて、期待以上の面白い展示になっていました。アイヌの住宅チセと中村拓志の建築など建築の見所も多いところ。洞爺湖サミットでも使用された白老牛を炭火で焼いて食べる店がおすすめ。
「道央もいいけど、道北、道東もいいよ。今度は旭川のマイナス四十度を体験しにおいで。」と最後に知人に言われて、ウポポイ博物館で見つけた「北海道遺産」の本を早速、手に入れました。
(京都府建築士会 京都だより2022年11月号掲載)
北海道遺産
一九九七年、当時の堀達也知事が提唱した「北の世界遺産構想」を形にすることから、北海道の自然や産業、建築などを含めた文化遺産・自然遺産を保護する活動が本格化したそうです。世界遺産ともまた違う、北海道の素晴らしい景色が見ることができるガイド本。