世界のビックリ建築を追え
世界のビックリ建築を追え
博多弁に「ふうたんぬるか」という言葉があります。直訳すると動きが鈍いとか、のろいとか、関西弁の「どんくさい」に近い言葉でしょうか。どういうときに使うかといいますと、「あいつに任せとったら、ふうたんぬるかけん、日が暮れるばい。」(あの人は、動きが遅いので任せておいたら、仕事が終わらないという意味。)といった感じで使います。
ちなみにこの言葉、最近、テレビのコロナ関連のニュースを見ながら、私が連発している言葉です。終わらない緊急事態宣言、海外よりも感染者が少なくて、病床数は多いはずなのに、医療現場がすぐにキャパオーバーになってしまう不思議な国。誰に向かってこれを言っているのか自分でも良くわかりませんが、コロナから一年も経ったというのに、博多にいる家族に会うことも、かないません。先日、やっと一回目のワクチンを打ったと母から連絡をもらいました。疾患を抱えている父母に合うために、私もワクチンを打つしかないと腹をくくったものの、いつになったら順番が回ってくるのか。年内に私は福岡に帰ることができるのか。
しばらく、「ふうたんぬるか」とつぶやきそうです。
(京都府建築士会 京都だより2021年7月号掲載)
世界のビックリ建築を追え
マガジンハウスの編集者で、「Case BRUTUS」の連載、「櫻井翔のケンチク学び旅」などを手掛けた著者は自称、ビックリ建築探求家。知っているものもあれば、私も知らない建築もあったりして、過去なんだけど未知の建築の世界を見せてくれる本です。フィンランドのUFO型住宅など、五〇年代から六〇年代の未来的な建築がとても楽しい。