リノベーションからみる西洋建築史
リノベーションからみる西洋建築史 歴史の継承と創造性
一度も直接、お目にかかったことがないクライアントの仕事を現在やっています。マンションのリフォームですが、スイス在住の日本人の方で、オンラインで初めてお目にかかり、プレゼンや設計契約などもネットを介し、一通りの段取りも終わり、クライアントとは、三月末のお引渡しに、お会いするということになっています。
「直接会ったことがない方のお仕事をやったことがございませんで、出来ますでしょうか。」などと最初は、半分断るつもりでしたが、ミーティングを重ねていたら、できる気がして、引き受けることにしました。超遠方ということもあって、お互い不安だらけで、ZOOMやLINE、facetimeを駆使しつつ、普通以上に密に連絡を取っていたら、いつのまにか仕事以外の会話の方が多くなってきました。スイスのご自宅の庭で咲いたスノードロップをfacetime越しに見せていただいたり、私のまわりの京都の事情をお伝えしたり、お互いの家族の話や、日本人とヨーロッパ人の違いについて、スイスはロックダウンだから店も閉まっていて、食材の確保が大変だとか、コロナのワクチンはもう打ったわよなどと、話す話題は尽きません。コロナが結んでくれた縁かななどと思いつつ、三月にその方と直接会えるのが、私の今の楽しみでもあります。
(京都府建築士会 京都だより2021年4月号掲載)
リノベーションからみる西洋建築史 歴史の継承と創造性
ミケランジェロによる古代浴場を教会にリノベーションした事例など歴史的建造物の継承を現代のリノベーションの手法と重ね合わせながら解説している興味深い本です。