日本の庭 京都
日本の庭 京都
年末に予定していた九州への旅行も、コロナのせいで控えることになり、どこにも行けない、そんなフラストレーションが溜まっています。どこにも行けないこの折角の機会に、京都市内をいろいろと見ることにしました。
まずは、自宅から一番近い清水寺。最近、ほとんどの修復工事が終わり、舞台も新しくなって、今まで足場で隠れていた全景があらわになりました。人の足跡がまだついていない清水の舞台は、靴で歩くのがもったいないほど。「えっ、清水寺ってこんなに良かった!?」久しぶりに、訪れた感想です。その次は伏見稲荷。いつもスタッフ全員で行く初詣も、今年はちょっと日をずらして行くことにしました。歩けないほど、人でぎっしりだった千本鳥居も、今ならゆっくりと三脚を立てて撮影可能です。
そして、先日は金閣寺。小雪が舞い散る寒い日だったせいか、広大な敷地に観光客は数えるほどしかおらず、池に映り込む金閣寺を撮影しまくりながら、しみじみと贅沢な気分を味わいました。そういったナイスショットな写真の数々も、SNSにあげるのは何故かためらいます。不要不急の外出という言葉が、必要以上に自由を奪われていると感じるのは私だけでしょうか。人が多くて、行く気にならなかった場所へ、足を運んで見るぐらいは、今しかできないことの一つのように思うのです。
(京都府建築士会 京都だより2021年3月号掲載)
日本の庭 京都
一生に一度は訪れて鑑賞したい、京都の真髄を代表する名庭。その絶美さを、見どころの解説文とともに紹介します。「鑑賞することで人生を学べる」という庭の奥深さを、美しい写真で伝えます。眺めているだけで心が落ち着き、豊かになる一冊です。