藤森照信のクラシック映画館

藤森照信のクラシック映画館

文 岡田良子

 

藤森照信のクラシック映画館

私が生まれ育ったところは、博多区の雑餉隈(ざっしょのくま)というところです。地元民は、「ざっしょ」と呼んでいて、武田鉄矢の実家のたばこ屋のある町とか、最近だとソフトバンクの孫正義が企業した町として、地元では知られています。あまり柄は良くないのですが、昔は活気のある町で、小さな町なのに映画館が二軒ありました。今はもう二軒とも廃業してしまいましたが、お年玉をもらったら、その映画館に行くのが、子供のころの楽しみで、正月に寅さんを見て、春休みにドラえもん、映画は二本立てだった頃の話です。
映画が二本立て同時上映だった話をすると、同世代の京都の人から、「えっ、そんなことあった?」なんて言われてしまいました。全国的なものだと思っていましたが、都心ではあまりなくて、小さな映画館や地方映画館などを中心に行われていたようです。
ちなみに、この二本立ての組み合わせは、各映画館が独自で決めていて、かなり特色がありました。大手配給映画とB級映画の組み合わせが多かったのですが、私が見に行った中で鮮烈に覚えている二本立ては、「エンゼル・ハート」と「霊幻道士」。同じホラー映画のくくりなのですが、対照的な二本で、残酷極まりない「エンゼル・ハート」の後味の悪さを、怖ビックリと笑いを混ぜたサモハン・キンポーのゾンビ映画が消してくれたという思い出があります。最近では、ネット配信で映画を見ることが多くなって、映画館に行く機会がめっきりと減ってしまいましたが、二本立てのことを思い出して、やはり映画館で見るのが一番、記憶に残るものなのですね。今年の正月は、久しぶりに映画館に行こうかと思っています。

(京都府建築士会 京都だより2021年1月号掲載)

藤森照信のクラシック映画館
  
“映画黄金期”と呼ばれた昭和三〇年代には七〇〇〇軒以上が存在していた映画館も、今や多くが消え、昔ながらの姿を留める館は一〇〇軒に満たないといわれています。
高田世界館(新潟)、本宮映画劇場(福島)、旧八千代館(京都)、旭館(愛媛)など、映画館建築と映画館の歴史を藤森照信氏が丹念に解説しています。

藤森照信のクラシック映画館
藤森照信のクラシック映画館

DATA

著者:藤森照信 写真・中馬聰

発行:青幻舎

定価:2,500円(税込)

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