若手設計者に贈る 木造住宅の手描き詳細図集
若手設計者に贈る 木造住宅の手描き詳細図集
コロナ禍で浮き彫りになった問題として、日本のデジタル化が進んでいなかったという事実が取り上げられて、面白いなと思ってニュースを見ています。自分達の仕事や生活が、そんなにデジタル化されているかというと、キャッシュレスなんて最近の話ですし、住宅設計を主にやっている私としては、現場との連携なんて、ＬＩＮＥでやり取りしているくらいのもので、ＢＩＭを入れたものの、まだまだ活用しているとは、言い難い状態です。
このコロナの最中に、集中してＢＩＭを勉強したものの、なんとなく体に馴染めず、辛抱できなくて、２Ｄで図面化してしまうという、一番厄介で中途半端なパターンとなりつつあります。２Ｄで考える癖がついてしまってるんですよね。ＢＩＭは設計手法の一つだから、いつも通りの考え方でＢＩＭに取り掛かってしまうと、図面の表現の部分で、壁にぶち当たってしまう。ＢＩＭの熟練者からは、「割り切りが必要」とアドバイスをもらったものの、ＢＩＭ化で、図面の表現が均一化されたら、設計事務所としては、なんとなく面白くないわけで、今までＣＡＤで描いていたような自分なりの図面にしたいなと思うわけです。そういう欲が邪魔しているのか、素直にデジタル化に移行できないアナログ脳とデジタル化の狭間で、日々、ジレンマと戦っています。
(京都府建築士会 京都だより2020年10月号掲載）
若手設計者に贈る 木造住宅の手描き詳細図集
新しいスタッフのために入荷した本。結局のところ、手描きの図面が、一番意思が伝わりやすいんですよね。アナログの図面の良さとは、情緒的で明確な表現ができることなのかもしれません。
