自衛隊防災BOOK・BOOK2
自衛隊防災BOOK・BOOK2
福岡に住んでいた頃、博多駅が浸水するぐらいの大雨が降ったことがあります。ちょうど車で通勤している時間帯で、そのうち止むだろうと思って家を出たのですが、バケツをひっくり返したような雨が二~三時間延々と降り続けました。車のワイパーも全く意味をなさないほどで、ずぶ濡れになりながら窓から顔を出し運転するものの、そのうち信号も停電で止まり、はるか前方の車が坂の窪みで浸水しかかっているのを見て、自宅に引き返しました。その時の降水量は、一時間当たり八十ミリ。死者は一名、河川は決壊しませんでしたが、九州における都市型の災害としては近年稀に見る被害だったと思います。
「八十ミリ以上の雨が、連続して三時間以上降り続けると都市(博多)は麻痺する。」そのとき、福岡市民が得た教訓です。
先日の台風十九号は、被害があった各地で一時間当たり七十~九十五ミリ以上の降水量を連日記録し、相次いで河川が決壊する風水害となりました。死者は八十六名、行方不明者は八名です。
災害とは忘れたころにやってくると言いますが、こう続くとなんとなく、またかといった感じで、被害にあわれた人への感覚が麻痺しそうなのが怖いなと思います。
災害という避けられない事の重さを身に沁み込ませるためにも、降水量や被害の数、心に留めて置きたいものです。
(京都府建築士会 京都だより2019年12月号掲載)
自衛隊防災BOOK・BOOK2
この本は、災害だけでなくて、日常生活に役立つライフハックがいろいろ掲載されています。ちなみに十月にBOOK2というのが出ていますが、そちらは災害別の防災ノウハウ本です。