関西の建築家と家をつくる
関西の建築家と家をつくる
この二年間ほど、建築家の本をつくるために奔走しました。何日か前に、やっと入稿がおわり、あとは印刷を待つだけ。販促関連の作業や、出版記念イベントなど、まだまだやらねばならないことが山積みですが、ここに来て少しだけ肩の荷がおりた気がします。
企画を立ち上げてから、出版社と交渉し、編集者やデザイナーを決めて、掲載する建築家を選んでもらう。今まで体験したことのない一連の行為のなかで、いろいろと気づかされることや共感することがありました。
気づきのひとつは建築写真の見せかた。キャプションが説明不足で、「普通の人には、キッチンなのか家具なのか、わからないものですよ。」なんて言われて、初めて自分たちが、雑な情報発信をしていたことに気が付きました。
製作に携わってくれた編集者やデザイナーのプロフェッショナルぶりも、共感できるところがあって良かったです。写真の印刷調整が難しいにもかかわらず、あえて選んだ紙の質感に対するデザイナーのこだわりや、四十一人の建築家が淡々と並んだら、単調になるのではという私の心配を、編集という技をもって、拭い去ってくれた彼らの仕事に、感謝と感動を覚えました。
試作本を見て「これやったら、店に置けるわ。」と、うちの書店店主のお済付をいただいて、
二年間の苦労が報われた気がします。あとは、どれだけ売れるかが問題で、それが一番心配するところなんですが、まだまだ私の肩の荷は、おろせそうにありません。
(京都府建築士会 京都だより2019年6月号掲載)
関西の建築家と家をつくる
四十一人の関西で活躍する建築家を紹介した本です。ブックデザインは、元grafの坂田佐武朗氏、建築家の手嶋保氏にも寄稿いただきました