The ARCHITECT says 建築家から学ぶ創造を磨く言葉たち
The ARCHITECT says 建築家から学ぶ創造を磨く言葉たち
最近、うちの店では詩集を置くようになりました。装丁が美しいというのが一番の理由なのですが、手に取ってパラパラとめくると、ふとした言葉が心にしみ込んでくるような気がして、ちょっとした癒しになるなと思っています。
建築でも、そんな癒しの本がないかと探していたら、数年前に出版された The ARCHITECT says という本を見つけました。この本は、シアトルの建築設計事務所で司書をしている女性が、日々あつかっている本の中から、特に惹かれた建築家の言葉を集めたもの。設計事務所に専属の司書がいるのも驚きなんですが、バックミンスター・フラーやワン・シュー、伊東豊雄や妹島和世の名言もあったりして、選者が厳選した新旧の名言が揃っています。
時にある人の言葉が、何かを気づかせてくれたり、自分の考えを転換させてくれる良い契機となることがあります。また弱った時の心の栄養剤にも…
この本の中で印象に残った、フィンランドの建築家ユハニ・パルラスマの言葉を、少しご紹介したいと思います。
深くデザインを突き詰めていくプロセスは、最終的にクライアントや建築家、そして時々建物に訪れるひとりひとりを、少しだけ善い人間にする。
なぜか、おでんの大根みたいに、しみいる言葉です。
(京都府建築士会 京都だより2019年2月号掲載)
The ARCHITECT says 建築家から学ぶ創造を磨く言葉たち
見開きで対になる言葉が並べられていて、内容や体裁に合わせて、フォントがそれぞれ違っていたり、英語の原文の添えられた翻訳が絶妙だったりと、とても素敵な本です。