山科の家
在来工法の浴室
寝室と浴室・洗面の小さなリフォームです。
仕上げや設備を変えるだけのリフォームだったら建築家に頼む必要がないのかもしれません。
でも暮らしの不便さや不満を解決したり、大きく間取りを変更したい場合、場当たり的なリフォームをしてしまって、後から後悔しないために、小さなリフォームであっても建築家に頼むほうが良い場合があります。
「ホテルの部屋のように寝室から洗面トイレに行けるようにすること」「浴室・洗面を明るくすること」「書斎をウォークインクロゼットにすること」がこのリフォームの目的でした。
寝室から洗面所への出入り口をもうけて、洗面所にトイレを設置し、浴室はユニットバスではなく、在来工法で製作しています。私は在来で風呂を設計する場合はホーロー浴槽を使うことにしています。見た目もすっきりとしていて清潔感があり、ホーローは湯冷めしにくいとのこと。
壁や床に使用しているのは十和田石。すべりにくく、石の中でも暖かい肌触りの素材です。天井には、チークの無垢フローリング材を張っています。
浴室廻りはメンテナンスフリーという言葉を過信して、ユニットバスを選択しがちですが、どんなものでも家を永く使い続けるにはメンテナンスは必要だと考えています。
家に対する手間を惜しまずにかけていくためには、選んだものに愛着が持てるかが重要です。
クライアントさんは、「この風呂は疲れが取れる」といってくださいます。十和田石の効果なのか、明るくなった浴室が気持ち良いのかはわかりませんが、愛着とはそういう体験から生まれるものなのかもしれません。