土橋町の家
土橋町の家
京都市伏見区。看板建築の町家の改修。「看板建築」とは、関東大震災後に多く建設された、かつての伝統的な町家に代わる洋風の外観を持った店舗併用の都市形住居の形態。鉄筋コンクリート造で建てられたように見せられていることが多い。既存の町家の庇を切って、屋根の形状などは変更せずに、看板のようなファサードをペタッと貼り付けているような形状が多く、雨漏りで老朽化が進んでいるケースも多い。
この建物は元は、炭屋を営んでいたようで、住居兼倉庫として使われていたものを購入した今のオーナーが二代にわたって、米屋として営んでいる。伏見区の伝統的な街並みが残っている通りでもあることから、外観を元の姿に近い形で復元した。増改築が繰り返されているため、オリジナルは不明だが、昔の梁や小屋組みなどを残した状態で、通り庭空間を復元し、内部の空間はそれに合わせる形で、改修を行った。
こだわりの米と食材が並ぶ店舗内部
火袋の吹抜部分
ダイナミックな骨組。