龍安寺の家

龍安寺界隈

敷地は、嵐電の龍安寺駅から徒歩３分程度の閑静な住宅地。昔の航空地図を見ていると、この物件と同じような町家が立ち並んでいたことが分かりました。周辺にはまだ風情のある、大塀造りの町家が残っていて、この建物に一目ぼれしたクライアントからの要望は、「オリジナルの町家の良さを活かして、意匠的にはあまり手を加えずに。」とのこと。
表通りの塀から玄関までのアプローチ、数寄屋意匠の玄関、階段の真鍮の美しい曲線をもつ手摺、2階の洋館風の部屋など、とても洒落た町家。広い座敷を通して、南北に庭があり、それぞれに松の木が１本ずつ植わっています。

既存を活かした町家の改修

既存部にはアルミサッシで改修された箇所が数カ所あったため、木製建具に戻すことにしました。例えば、南側に面する窓などは、４枚引違のアルミサッシだったものを２枚の大きな木製建具（ペアガラス）にしたり、洋館風意匠の階段の上に、アルミサッシが付いていたため、アンティークのステンドガラスを加工した木製の建具に変えています。