志摩の山荘
傾斜地に建つ家
福岡県の糸島半島の別荘地に建つ山荘。敷地は山の斜面の中腹に位置し、土地の傾斜がかなりきつくなっています。南東側は玄海灘に面しているので、斜面の特性を生かしながら各部屋から海を臨
むというのがこの山荘のコンセプトでした。
傾斜地は地すべりに耐えられるようにしっかりとした基礎にせねばなりません。そのため、ある程度の基礎のボリュームが必要となります。その部分を空間として、駐車場や倉庫に利用しています。
また、常時在宅してない別荘は長期間使用しないことも想定して、外壁にはメンテナンス性の良いガルバリウム鋼板を使用しています。
この山荘はリタイア間近のご夫婦のセカンドハウスで、メインの住居を市内にもつ施主の希望は、今住んでいるマンションにない機能をもつこと、非日常的であること、ローコストであることでした。マンションにはない、立体的なワンルームになるよう木造の大屋根部分は、開放的な空間が広がっています。
リビング、キッチン、浴室、寝室からは海が見えるように、高さと平面位置の設計スタディを重ねました。
また浴室はデッキに出れるようにしており、別荘の山仕事を終えてから汚れた体をそのまま洗いに行くことできます。
薪ストーブのある家
薪ストーブを置くというのも山荘を楽しむ要素として積極的に取り入れました。家の中心となるリビングに薪ストーブを配置し、外部の木製建具と高気密・高断熱を施し、部屋全体に暖かい暖気がいきわたるようにしました。