塩原の家
大きな屋根
福岡市南区に建つ夫婦、娘さんの3人家族の住宅。ベースは平屋となっています。大きな屋根をかけて一見平屋の外観ですが、実は屋根裏部屋のような2階があります。
庇や軒をきちんと取った屋根は雨風を防いでくれるだけでなく、日光を調整する役割や建物の外壁を長く持たせるなど日本の風土にあった建築的要素です。台風や雨の多い地域で建てる場合は、特にそのあたりも考慮に入れながら、機能とデザインがきちんと合うように設計を進めています。
玄関に坪庭、ハレとケ
この住宅は、玄関を入るとすぐ正面に小さな坪庭を設けています。最初に家に入った人に、明るく快適で良い印象を持ってもらおうと配慮しましたが、お客さんだけでなくいつも使う家の人にとっても、自分の家のハレの場を大切にして欲しいなと思っています。
それ以外のプランニングで配慮した点は3つの個室です。
それぞれにウォークインクロゼットを設けました。窓付きの小さな部屋は、家族構成などが変わったときには、クロゼット以外にも小さな書斎や趣味の部屋となる可能性を持っています。
また、2階のロフトとリビングを吹抜空間を通してつなげていますが、風の流れや開放性という利便的な理由だけでなく、家族間とのつながりを強めるというのも意識しながら空間をつなげています。
見た目の豪華さだけでなく、家族のあり方なども考えながら、少し心が豊かになるような住宅ができれば良いなと思っています。