プランB旅行記 その1 - Space Clip一級建築士事務所
プランB旅行記 その1

プランB旅行記 その1

2026/08/01

プランB旅行記 その1

私が小学生の頃読んだ雑誌に、「ツタンカーメンの謎」の特集があった。黄金のマスクと完全な状態の王墓の発見、関係者の謎の死。子供心に、ちょっと怖くて、でもなぜかワクワクしたのを覚えている。ピラミッドと王墓の墓は、私の中では、子供の頃から、死ぬまでにいつかは行かねばならない国のひとつで、昨年のインドに続き、そのリストを消化すべく、満を持してエジプトに行くと決めた。

建築家のS原さんとH部さんA曽さんの四人で、一年前から準備を始めて、エジプトに旅行に行った人にオンラインで話を聞いたり、神戸までエジプト料理を食べに行ったり、仕事もなんとか調整して、夕方からスーツケースに荷物を詰め、翌日、三月一日の夜の便で、ドバイ経由でエジプトに行く。そんな予定だった。二十八日、アメリカとイスラエルがイランに攻撃を開始、二十一時、その日飛ぶはずだったドバイ経由のエジプト行きが欠航となり、翌日のフライトも怪しくなり始めた。深夜に急遽、オンラインミーティングを開催する。ドバイ空港が閉鎖になったという情報が入った。そうなるともう、エジプトには行けない。さて、どうしたものか…手配していた飛行機や現地ツアーは、こんな事態なので、なんとかキャンセルができそう。しかし、四人とも仕事は休む予定だったし、カバンに、荷物はすでに詰めてある。

「エジプトは無理でも、やはり、どこかに行きましょう。」誰かが言った。すでに気分はエジプトだっただけに、気持ちの切り替えが…なんてことは無い。さすが、建築家のみなさん、プランBへの転換は、怒涛の如くである。エジプトの代わりに、明日から行けるどこか。速効、オンラインでリサーチが始まる。国内ではなく当然、海外。候補にあがったのは、トルコ・パリ・イタリア・ベトナム・台湾。ビザが不要で、明日のフライトがとれるところ。ヨーロッパはフライトが取れず断念、トルコも当然ヤバそうなので却下、ベトナムは、天候が良くないとのことで、翌日三月二日の十二時のフライトが取れそうな、台湾になった。台中のホテルを一泊予約して、あとは現地に行ってから決める。幸い台湾には、見たい建築が山ほどあった。予定は全く立てていないが、戦火の中東に行くよりは、気も楽だしスーツケースは、そのままだ。半日がかりのリスケ作業のあと、関空の待ち合わせの時間を決めて、その日のミーティングは終了した。

プランB旅行記 その1

一日目(関空→台北→台中)

台北に十五時頃到着。長距離バスで台中に行くことにした。所要時間は二時間弱。長距離バスなのでトイレ付だが果たして、このトイレは入れるだろうか。いささか疑問。トイレには入らなかったが、興味ある人は、是非試して欲しい。十八時過ぎに台中に着く。

一日目(関空→台北→台中)
一日目(関空→台北→台中)

二日目(台中→台南)

近くの市場で朝食を済ませたあと、SANAA設計の台中市立美術館と伊東豊雄の台中国家歌劇院に行く。台湾は、民主化から文化政策に力を入れている。特に、文創園區(文化創意産業園区)」政策は、歴史的建造物をリノベーションし、文化・芸術・デザインなどのクリエイティブ産業と観光を融合させた国家戦略として各地で展開している。その中でも、書店文化はアジアでも群を抜いており、おしゃれ本屋で有名な蔦屋は台湾の誠品書店をまねて、現在の店舗展開をしたとか。年々、書店が減っている日本に比べて人口に対して、台湾は書店が多いというのも、うらやましい話で、今回の旅も、図書館を多くみたが、いずれも贅沢で美しい公共図書館ばかりであった。見学後は、高鐵で台南に移動。

二日目(台中→台南)
二日目(台中→台南)
二日目(台中→台南)

その2に続く…

※Talk about 61号(JIA近畿支部 住宅部会発行)に掲載されたものです。

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